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エイズ犯罪—血友病患者の悲劇 薬害エイズ—原告からの手紙―厚生省,製薬企業,そして医師……本来の目的をよそに暴走していく社会の恐ろしさ
若林 チヒロ
1
1東京大学医学部保健社会学教室
pp.1088-1089
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904942
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先日,某社のミネラルウォーターにプラスチック片が混入していたとして,「人体には無害だが全品回収する」とテレビや新聞で報道していた.しかし,エイズの原因ウイルスであるHIVが混入していた非加熱血液製剤は,その危険性が指摘されながらも回収されることはなく,患者に投与されつづけた.結果,全国に約5000人いた血友病患者のうち約4割が,HIVに感染した.
1982年米国では,非加熱血液製剤でのエイズの危険性について詳細に報告され,翌年,安全な加熱血液製剤が認可されている.しかし,危険な非加熱製剤は,日本では輸入禁止とならず,安全な加熱製剤は1985年末まで認可されなかった.
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