特集 生活環境別にみた母子保健
働く婦人と保育所—無認可保育所に支えられている現状
山口 れい
1
1東京都下清瀬病院なかよし保育園
pp.26-28
発行日 1965年7月1日
Published Date 1965/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203002
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「保育所が足りない」「保育所がほしい」「ポストの数ほど保育所を」こうした声は全国どこの小さな町にもきかれ,大きな社会問題となってきている.保育所を必要とする人たちは,もはや,専門職に従事する婦人労働者や,生活困窮者だけの問題ではなく,その背景は大きい.中小企業の倒産の相つぐ不況ムードの中では,「婦人よ家庭に帰れ」「子どもは親が1対1で育てるのが不良化を防ぐ道だ」等のムードは完全に通用しなくなってきている.
不況にプラス物価高は,サラリーマンの家庭では夫だけの収入では暮せなくなり,農家は農業だけでは食べられなくて夫は皆出かせぎに行ってしまい,都市でも農村でも日本中,保育所がなければ安心して生活できない状態になってしまった.
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