研究
農繁期と季節保育所
神田 キイ子
1
1新潟県津川保健所
pp.41-45
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201773
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管内の一般的概況
当所管内は新潟県の東端に位置し,東南は福島県に境し,西北は中北蒲原郡に接している.面積は957563平方粁で,その広大さは県下第5位になつているが大半は山林地帯である.世帯数は6711で,人口は38,211人で,1平方粁当り39人で人口密度は県で最も低い.なお管内は2町2村である.その反面耕地は極めて少なく,農産物に乏しく,その上天産物にも恵まれず冬期間は相当の雪に埋れる等自然及びその環境に支配され,経済的にも恵まれず,従つて生活程度は他郡に比して相当低く,文化的にも著しく立遅れている.公衆衛生の概要は地形,気象の自然及びその環境からの直接影響或いはそれに原因する経済的な貧困から来る偏つた郡民性,根強い封建性等は生活環境を悪化せしめ,日常生活の衣食住にも大きい影響を与え,一般郡民の衛生思想及び教育程度は極めて低い.従来とかく衛生行政もこの地を軽視し一方的運営がなされ勝ちだつたため,公衆衛生意識も極めて低調である.
郡民の健康状態は農繁期の過労,特に不良な環境下における肉体労働より起る諸問題,休養の不足,白米依存による栄養の偏り等により壮年層には大部分の人達が神経痛及び腱痛を訴えている.
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