ニュース・トピック
新婚学級のねらいと運営のしかた
滝沢 正
1
1厚生省児童局母子衛生課
pp.37
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202775
- 有料閲覧
- 文献概要
新婚学級の必要性
家族計画,Family Planningという言葉のひびきには新婚家庭のにおいがただよっている.家族計画は子どもの数だけの計画ではないことはご存じのとおりだが,生活設計を含む基本的な家庭建設の理念が家族計画の真のねらいであってみれば,妊娠してからではおそ過ぎることはもちろん,「家庭」という自動車を運転するのに仮免許ぐらいは持っている必要があろう.新婚学級という名よりは婚前学級という方がむしろ妥当かとも思う.しかし家族計画普及事業の一環として行政的にとりあげるとしたら新婚学級ということになる.
群馬県の沼田保健所の「未婚女性を対象とした公衆衛生活動」が38年度の保健文化賞に輝いたが,これは10年来,管内の市町村長から未婚女性を推せんしてもらい,保健所が中心になって,妊娠,育児,栄養,環境衛生,調理技術,家政学など,広範な家庭の主婦となり母となり,社会人となるにふさわしい立派な女性学級が開催され,多大な成果をあげている事実は,われわれに多くのものを教えてくれた.主婦を中心としてやってきた今までの家族計画普及事業は,おそ過ぎた感がある.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.