母性教育講座 結婚前期
婚前学級の運営方法
奈良 覚
1
1川崎市中央保健所庶務課指導係
pp.30-33
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203477
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Ⅰ はじめに
昭和39年4月,厚生大臣から児童福祉審議会に対して「母子保健福祉対策の体系化と積極的な推進について」の諮問があった.同審議会の母子保健対策部会は同年12月に中間報告として,次のような趣旨を述べ,婚前教育推進の必要を強調している.
それは,「最近,初回妊娠の人工中絶が若い女性の間に増加し,さらに妊娠初期の母性保護に関する知識が欠除しているなどから先天性異常児の出生がふえたり,不用意な無計画な妊娠によって母児の障害や不幸がおこり,明るい健康な家庭の成立は大きく阻害されている.いうまでもなく,今日まで全国的に家族計画指導は相当活発に行なわれてきたが,その指導は既婚者に重点がおかれ婚前者を対象として将来の家庭設計に必要な医学,優生学や家政学の知識を教えることは,全然といってよいくらい放置されていたが,本当はこの時期の適切な指導と教育が必要なのである.
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