《助産婦からドクターへ》
モーレ流産と悪性上皮腫警戒追跡試験
野見山 トミヱ
pp.20
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202749
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1例は肺転移で死亡
昭和30年,モーレ流産,内生殖器全剔手術をした一主婦が,あしかけ4年の闘病生活の後28歳を一期として2児を残して病名不明のまま死亡という事例に遭遇.これは34年8月号に掲載された秦清三郎先生の「人工流産後に発生した絨毛上皮腫」を読んで悪性上皮腫の肺転移であったであろうことを知った.今回(38年12月)また同じモーレ流産した主婦の来診をうけて,流産後の追跡試験をつづけているので,お伺いしたい.
初診,38年12月6日,1週間余り少量の出血があるからと往診した.この妊婦は37年1月1回経産,児健在,年齢25歳,最終M8月12日から5日間,悪阻は軽度であったが少し腹が張るような気がすると訴えていた.血圧109〜55,浮腫蛋白1.
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