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ヴエニスの夕陽—クロード・モネ(1840-1926)
pp.28
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202416
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クロード・モネはパリに生まれた。彼は「印象派画家」と呼ばれる一群の絵かきの中で,特にその名に値する画家といえるだろう。彼の作品「印象・日の出」が,印象派の命名の因となつたものだから,彼こそ印象派の歩みと共に生涯を生きたといつても,言いすぎではないだろう。
「ヴェニスの夕陽」は,モネが,晩年同一のモチーフを時間,季節,天候の変化などで追求したものの一枚.ここには,モネが生涯をかけて取り組んだ空間と光の表現が,みごとに生きている.そればかりでなく,彼が絵を通して単なる風景ではなく自分の感情を画布に定着するという希望さえ,この晩年の小品に現われているとはいえないだろうか.
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