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新生児の観察と記録
藤井 とし
1
1都立荒川産院
pp.18-22
発行日 1962年7月1日
Published Date 1962/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202365
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はじめに 新生児期に見られる症状の特徴は,第一に子宮外の生活に適応するために現われ,その後の乳児期では当然病的と判断される症状を生理的に現わすことがある.第二に新生児は分娩による障害,妊娠中の母体の異常の影響をうけるため特有な症状を示す.第三に感染に対し抵抗が弱いことである.たとえばチアノーゼは,外界へ適応する生後しばらくの時期に全身或いは口周囲,四肢末端に見られ,病的では,呼吸障害,先天性心奇形,また分娩時の障害による脳内合併症に際して見られる.症状の観察に際し,生理的と病的とを鑑別し,異常を早期に発見するためには,新生児の生理,疾患に対する知識をもととし,精細な観察が非常に大切である.
新生児の訪問指導に際し,観察する症状とその所見を記録するのに役立つよう具体的に述べたいと思う.
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