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吸器分娩の小経験
安武 豊志男
1
,
塩練 ミサヲ
1
,
松田 初子
1
1日本鋼管病院産婦人科
pp.41-43
発行日 1962年6月1日
Published Date 1962/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202355
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はじめに
昭和26年に,フランスから初めてVentouse eutociqueが長谷川,塩島両氏によつて紹介された当時はほとんど顧られなかつたが,最近では,Vacuum extractorによる遂娩法が非常に普及してきているようであります.まだ統一した簡単な訳名がないため,報告者による記述もまちまちで陰圧利用吸着式牽引,陰圧挽出,吸角分娩,吸盤牽引,吸引分娩,吸着カップ分娩,真空吸着挽出法などの名称がつかわれておりますので,私どもはまず適当な名称の撰択について検討を加え,私見を述べてみるごとにしました.
静脈麻酔とは静脈そのものを麻酔することでないように,鉗子分娩がもちろん鉗子を挽出することではなくて,つまり方法論的にいうならば,鉗子の装着(挿入+閉合)+牽引による遂娩法の意味で使用する器具を冠しているわけであります.
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