研究
妊産婦の情緒と看護の問題について
田間 恵実子
1
1日本生命済生会附属日生病院
pp.17-19
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202133
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〔産科学における人間復興〕
こう呼ぶと,どうもいかめしい言葉のように感じるが1961年を精神衛生年として,最近,各方面で精神衛生ということが検討されはじめている折に機会を得て厚生省の精神衛生講習会に出席し,賛育会病院長 木下正一先生,日赤産院看護婦監督 竹谷アサヨ先生のお講義を聴くことが出来ましたので,講義の一端を臨床に御活躍中の皆様にお伝えしたいと思います.
今までの産科学について考えてみますと,妊娠,分娩,産褥,育児について,各々,肉体的には深く研究され,非常に高度な発展を示しているけれども,精神的,心理的な面では,はたして充分研究されて来ただろうか,助産婦の一連の業務を行うにあたつて私達は人間がお産をするのだということを充分考慮に入れて扱つて来たといえるだろうか,という点について説かれる木下先生のお言葉に,ふと不安を覚えます.
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