研究
家族計画を実施して
遠藤 米子
pp.22
発行日 1960年1月1日
Published Date 1960/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201831
- 有料閲覧
- 文献概要
昔から「四百四病の病より貧程つらいものはない」と言われて居ります諺がございますが,その貧につきものは,いわゆる「貧乏人の子沢山」という事でございました.
然しこうした状態も文化が高くなるにつれて事情が変つてまいります.貧乏の方は仲々追放という訳にはまいりませんが,子沢山の方はいろいろの方法によつてもう昔語りになろうとして居ります.その1つの方法としては優生保護法の誤られた活用による人工妊娠中絶でございましよう.手術の犠牲となつていろいろ不都合の出来た母体の様子をこの目で見,又悩みをきかされます度に,こんな事ではならない,何とかもつと適切な方法を講じなければと集会の度毎に皆なで話し合いました結果,私達助産婦だけで持つて居りました定例会を,石井地区家族計画研究会という名にあらため,昭和27年4月石井保健所の開所を機会に実地指導員である私達11名が主体となり保健婦さん達と協力のもとに町内在住の有夫の婦人3,800名中3,200名を対象として家族計画という問題と本格的に取り組んでまいりました.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.