口絵
喜こばれる母子センター—千葉県平川町の母子センターを訪ねて
pp.21-24
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201767
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32年度いらいすすめられていた"母子センター"が,いよいよ発足する段階になり,全国53カ所に出来て今年の4月から5月にかけて続々と開館式を行つた.開館以来まだ2〜3カ月を経過しただけであるが,母子センターはどのように運営され,住民にどのように受け入れられているか.千葉県君津郡平川町に出来たセンターを訪れて見た.
平川町と云えば,町村合併前の中川村時代から母子衛生活動に活溌な動きを見せ,27年には優良愛育村として保健文化賞を受けたところである.その実蹟を認められて母子センターもここに建てられることになつた.母子センターは木更津から電車で更に20分奥に入つた所,平川町の役場の近く,小高い丘の上にある.駅に出るには40〜50分は歩かねばならない辺鄙な所,国保の直営診療所の隣に200余平方メートルほどのスマートな平屋建の建物,これが平川町母子センターである.入院室,5部屋,分娩室,診療室,沐浴室,調査室,相談室,そして集会室からなつており,都会に持つて来ても,立派に完備された助産院として通る.ここには専属の1人の助産婦と,1人のお手伝さんがいる.町の開業助産婦が使用する場合はオープンシステムの形になる.ここはまだ,ほとんどの人が家庭分娩をおこなつていた.初産は実家に帰るとしても農繁期のお産ともなれば,周りに気がねが多く産後をゆつくり休むゆとりもない産婦さんにとつては,この施設が出来たことはまことに朗報.
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