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雛まつりのうつり変り
pp.47
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201647
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むかし,3月のお節句に人形を作つて,からだを清よめ,そのあと人形を川に流して難流しをした風習がある.それが,いつか,雛を流さないで家に飾るようになつた.それが雛まつりの起りだと云われている,雛段を作つて賑やかにお祭りするようになつた時期ははつきりしないが,おそらく世の中が平和になつた江戸時代に入つてからであろう.
雛祭は今では赤ちやんのお祭りであるが,江戸時代は,女の子が人形をよろこぶ年頃になつてからはじめ,娘はその雛を大事にしておいてお嫁さんに行く時に持参し,老いるまで,その雛でお祭をしたのである.今でも古い家に行くとおばあさんの雛人形が古風な姿で新しい雛と一緒に並んでいるのを見ることが出来る.
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