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分娩時の異常出血と大動脈繃帯圧迫法
pp.36
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201643
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分娩時の異常出血の中,児の娩出前或は分娩中の出血は,前置胎盤,常位胎盤早期剥離,子宮破裂,静脈瘤の破裂等であるが,日常多く遭遇するのは児の娩出後の出血である.児娩出後の多量の出血の際は,胎盤娩出の前後を問わず,手近にあるタオル,腹帯等の布類をまるめて握り大動脈に強く押しつけるのがよい.これで股動脈の博動が止まれば充分に圧迫されている訳である.この方法は大動脈繃帯圧迫法と呼ばれているが,特別の器具を要せず,突然の大出血の際も一応迅速且完全に止血出来,局所の止血操作完了までの間の出血がなく止血操作もやり易いし又貧血を起さなければ子宮収縮剤の効果もよい等の長所がある.
尚分娩時の生理的出血量は200〜300ml,標準偏差の上限界は約600mlとされている.
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