緊急レポート
訪問看護と結核―うつらない・うつさないために必要な知識
吉山 崇
1
,
石川 信克
1
1結核予防会結核研究所
pp.348-357
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901991
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はじめに
結核は今も最大の伝染病
結核はかつて猛威を振るった時代に比べれば,患者数も減り,普通の診療機関や施設ではまれにしか出会わない病気となった.住民はおろか医師や他の医療従事者もほとんど忘れかけてしまった観がある.しかし,今でも日本全国で毎年4万2千人以上の人が新たに結核に罹り,三千人近くの人が結核で死んでいることを見れば,結核は決して忘れてはならない病気である.しかも60歳以上のお年寄りでは,年間千人に1人の割合で発病している.1人の患者が出れば,周囲の多くの人が感染するという点では,爆弾を抱えている状態ともいえよう.
訪問看護に関わる人々が知っておきたい結核の基礎知識から始めて,忘れてはならない注意,しなければならないことについて述べてみよう.
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