口絵
仂く母親の育児
pp.28
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201551
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一昔前だつたら,まだめずらしかつた共稼ぎが,今では全く普通の事になりました.朝早く2人で出勤する御夫婦もよく見かけるようになりました.共稼ぎには,家庭経済の問題とか,女性の独立精神とか,いろいろの理由があるでしようが,男女共に開放されて,お互に協力しあい生活をきづいていける事はスバラシイ事に違いありません.しかし,その共稼ぎも子供が出来るといろいろな障害にぶつかつてスムースに運ばなくなります.経済が許せば女中をおく事も出来ますが,女中をおくにしても,まず,住宅が問題になります.2間にお勝手のアパート生活では,おばあさんや女中との協同生活は考えられません.すると保育所の発達していない日本では,さしずめやめてしまうか,実家に毎朝赤ちやんを連れて行くとか……無理な結果になつてしまいます.
青戸公団住宅の若いお母さん達は,そこで良い方法はないかと考えたのです.気がついたのが2人とも出かけてしまつて留守になる家です.住宅を交替に開放して協同保育をしよう……思い立つや手分けして保母さんや栄養士を探しました.そして1人の栄養士と1人の保母さん.そして2人の保母さんの助士を探すことが出来ました.そして8人の赤ちやん達が,協同保育によつて育てられる事になりました.8人の赤ちやんに3人の保母,お母さん達は安心して出かけられます.月に3,100円を出し合つて保母さん達の人件費と雑費に当てているといいます.
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