研究
新生児の体温について
大山 タイ
1
1日赤中央病院新生児室
pp.11-14
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201545
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
熱の発生は体内に食物として摂取した栄養素,特に蛋白質,脂肪,糖質の酸化によりますが,酸化によつて生じたエネルギーは大部分が熱となります.又熱の放散は皮膚,肺,排泄物等により物理的過程によつてなされます.この体内で発生された熱と体外へ放散される熱とのバランスが保たれるという体温調節のメカニズムについては第12巻第6号で吉植庄平先生が代謝とか冬眠等を中心に大変学問的な興味深い論文をお書きになつていらつしやいます.
恒温動物である人間は外界の気温に関係なく自分の温度を大体一定に保つことができますが,人間の正常体温は成人では腋下で36℃〜37℃,直腸で大体0.5℃高く,口腔ではその中間にあつてこれを平熱といいます.もつとも1日の中でも測定する時間によって生理的動揺を示しますし,又運動,食事,入浴,精神感動,興ふん等で上昇,安静,冷寒等で下降,又年令によつても多少の差があります.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.