受胎調節指導一年をかえりみて
集団指導に当つて
星野 越野
pp.10-11
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201241
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私達は受胎調節実地指導員の資格を得てから幾年にもなるのに,一昨年頃までは私達の保健所は優生保護相談所であるため,火金両日を受胎調節相談実地指導を行うのに,実地だけは行うけれど,説明指導相談は医師の先生方にのみ依存して,独立して全部責任を果し得る人は少数の特定の人に限られている状態であつた.
それは実地講習も受けており元々助産婦であるから理論その他の事も充分承知しているのであるが,助産婦は日頃個人指導のみしているため集団指導は殊に不得で気おくれのためと分つた.指導員協議会も地区及び全国協議会も結成されたのにこれではならない,何回か繰返す内に必ず全員が自信がついて上手に出来る筈だといつて当番を作り,当番の人は必ず責任を果すようにとして実行した結果,一カ月一カ月と成績も上り大分自信が出来て来たので,一年後の今日では多少差はあつても当番に出渋つたり忘れたりする者もなく,医師の先生方の御力を借りずに助産婦だけで責任を果たし得られるようになつた.これを見ても進歩の跡がはつきり見える.また器具薬品を助産婦会で一括購入して置いて希望者に少しでも安価にお分けしているが,会合のたびに器具薬品の取扱い数の多くなつて来たのを見ても,熱心に指導を実行している事が証明出来る.
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