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新しい医療費体系の発足に当つて
橋本 寛敏
1
1日本病院協会
pp.793-794
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201417
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去る6月30日官報号外で『健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定法』の改正(厚生第177号)が告示された。これは保険医療費の支払が世間の物価変動と不相応に少くて医療担当者を経済的に困らせるのを不十分ながら改善したというばかりでなく,従来の物と技術を混同した支払体系を合理化する第一歩を踏み出す甲表を設けたという点で保険医療歴史上劃期的の改革というべきものである。
一言に医療保険支払方式の改正とはいうが,これに対する見方は人によつて一様でない。昭和26年以来7年の長きに亘つて支払額を固定して知らん顔をして居たのは不当である。物価はどんどん上つて来ている。被保険者の納める保険料は収入に対する比率は同じでも,物価に応じて給料がベースアツプして来ているから保険基金の自然増収がある。
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