助産婦のための育児相談室
病児の観察
木下 正一
pp.37-39
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201170
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
口腔 子供の口の中やのどの中を診ることは,なかなかむづかしいが,しかし,欠かすことのできない大切なことである.小児科の先生方は巧みに,スバシコク要点を観察するが,そのためにはなかなか苦心しておられる.私たちもその要領を見習うことが大切であると思う.大ていの先生方は,すべての診察を終つてから,いよいよおしまいという時になつて,「ちよとお口とおのどを診ておくかな」と言つて,瞬く間に巧みに窺いてしまう.子供は,その後でアーンアーンとするが,診察はもうこれですつかり済んでいる.
舌が乾燥して舌苔を被つているのは重病のしるしであるという.舌は平生は表皮が絶えずこすりおとされて,自浄作用が行われているから清潔であるが,重病の際には自浄作用がなく,舌苔が出来るのだという.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.