特集 出血
輸血・輸液
大村 泰男
1
1養育院附属病院外科
pp.62-69
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201058
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輸血・輸液の使い方に二つの違つた面がある.一つは出血の場合などに救急治療の意味から輸注することであり,その目的とするところは,まず失つた血液量を輸注で補給し血管系をみたし,心臓のポンプを元通り運転させることである.
第2の面は予防輸注と言うこともできようが,患者の体内に手術などに都合の惡い状態が潜んでいる場合,これを手術前に治療しておこうとするものである.この立場からは輸血・輸液は単に血管系充実だけでなく,血漿蛋白,ヘモグロビン蛋白の補給と言う面が大きい要素となる.この第2の面の話は終りに簡略に述べることにする.
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