社会,動向
偶像破壞の意義
長谷川 泉
pp.48-49
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201022
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人間は理性的である反面,センチメンタルな面を持つから,英雄礼讃や英雄待望の気持を否定することはできなかろう.だが,そのような気持が世の中の進歩を阻害したり,あるいは政治的な意図のために利用されることも十分にあり得ることである.人間は,英雄をまつりあげることについては,極めて冷静に,理性的でなければならないことを痛感する.
最近ソ連で偶像破壊の極めて典型的な例が出た.すなわち,これまで神格化されていたスターリンの理論と行動がソ連共産党大会で公然と批判され,祭壇から引ずりおろされたからである.
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