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                                                齊藤 潔
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1国立公衆衛生院
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.6-11
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1955年5月1日
                  Published Date 1955/5/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200841
                
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近年各国の医療,公衆衛生の進歩,国民の衛生思想の普及向上によつて衛生状熊の尺度と言われる乳児死亡率と結核死亡率は著しく低下した.わが国の乳児死亡率も1953年には49(出生1,000につき)まで下降した.北欧のスエーデン,太平洋地域のニュージランドと比較すれば未だ高い死亡率であるが,先ず世界の水準までは達したと見て差支えないであろう.
このように減少した乳児死亡を原因別に見ると,予防することも,又治療することも比較的容易な病気である消化不良症や下痢を伴う消化器疾患による死亡が先ず減じ,次で伝染病や呼吸器疾患が減少している.終戦前後からは,サルファ剤や抗生物質が発見されて,これらの病気の治療も一層容易になつた.そして,その後に残された乳児死亡原因の主なるものは,遺伝性疾患とか,先天性疾患である.その中,死亡原因として重要なものは,先天性弱質と未熟とである.先天性弱質と未熟(1949年までは早産という)とは,以前の統計分類でははつきり区別されなかつた.

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