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ふたたびこの悲しみを—原爆の日に
朝見 信彦
pp.36-37
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200668
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世界にはじめて原子爆弾がおとされた月が今年もめぐつて来ました.
筆者は,あの瞬間的な出来事を体験なさいました.激しい光と,体のまわりに急に熱さを感じたとき,すでに広島は焼けただれていたようです.赤い毛布に包んで死者を埋めた筆者も,そのときは,まだ,原子爆弾のことをよく御存知なかつたでしよう.幸い,負傷されなかつた筆者にも,眼にみえない放射能が全く作用していないと,誰が断言できるでしよう.
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