読者の頁
入齒の出し入れ
ふじ しうこう
pp.52
発行日 1954年7月1日
Published Date 1954/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200651
- 有料閲覧
- 文献概要
受胎調節指導員である私は,ベッサリー使用方法を主婦の方達に教えていながち,何時も頭に浮ぶことは「入歯の出し入れを教えるのが私達の任事では無い」ということである.私達は昨年県で行つた,3日間の講習会に参加し,ただ1回モケイでないモデルの膣の中に婦人科医立会いの下で,ベッサリーの出し入れの教えを受け,受胎調節指導員となつた.この時,ベッサリーを初めてみた人が8割位,助産以外の内診のしたことのある人が1割にも達しなかつたと思う.
私の村を管轄している保健所で昨年婦人科医1名と受胎指導員2名が1グループになり,毎週2回ずつ受胎調節の実地指導を無料で行つたのであるが,1人の婦人も保健所を訪ずれることなく,遂々開店休業になりせつかくの計画も御破算になつてしまつた.私の近くの町村に開業している助産婦の方達の所にも,実地指導をうけにくる婦人はほとんどないとのことである.昨年私の県では受胎調節指導員の再教育を1日行つたのであるがこの時県技師の美しい女医さんがコンドームの使い方をコンドームを手に取り,こまごまと教えた.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.