--------------------
字書の研究
山崎 光子
pp.29-30
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200621
- 有料閲覧
- 文献概要
私が明治時代に初めて筆をもつて文字を習い始めてからよく書けるようになりたいと念願しながら学校でも家庭でも書きつづけ習いつづけ実に多くの時間と労力とを費し今日も尚文字を書かない日はない程であるにもかかわらず,いざ書くとなると自分の署名一つにもためらうので,そしてこんなことをいう人がほかにも少くないのです.
今の若い人々は社会活動に必要とする修養の面が大変広くなつています.で活動の利器として第一に身につけなければならない文字を習うことにだけあまり多くの時と労力を費してはいられないと思います.で古筆への敬慕,流儀への愛着を暫くおさえて,まず読みよい字習い易い文字をという点に着眼して小さやかな研究を試み,まだ未完成ながら茲にその一端を記述します.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.