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社会の動向
H
pp.28
発行日 1954年3月1日
Published Date 1954/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200562
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保全経済会をめぐる問題が政治問題化した.匿名組合として合法的に法の裏をくぐつて再建途上の混乱した日本の経済界に大きな話題をなげていたのであるが,閉鎖から伊藤斗福理事長の拘留,国会での平野代議士證言と問題は発展し,献金の事実があかるみに出され,政治問題化したのである.
既に同会の閉鎖の頃から,その解決を政治的闇取引きに求める口ぶりを伊藤理事長は匂わしていたのであるが,それがはしなくも国会での平野證言で暴露されこの問題について関係していないのは左派社会党と共産党だけというデータが出された.これはまさに敗戰後の日本経済の混乱の中に浮んだ一つのアブクのようなものに過ぎないのだが,このような印象を通して反省させられる点は極めて多いと言える.
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