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趣味を語る⑥
朝永 清香
1
1長崎県助産婦部
pp.41
発行日 1953年10月1日
Published Date 1953/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200461
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このたび私のような老人に趣味を語れとの事であります.そしてお茶でもなく,お花でもないと條件つきでありますので,さて何を語るものか迷います.孫に添寢の昔話も趣味もつて語ればなかなか味なものですが,まさかそれは……….
がんらい私は助産婦なのでお産には趣味を以て仂いていますので,これにして責を果させていたゞきます.昭和3年頃,今は故人であります木村介忠先生の,無痛分娩法の講習を受けました.私はお産に並用して近代科学の無痛でなく,精神的の無痛分娩を全部の産婦(私の取扱う)に実施しようと相当に苦心しましたが,他人樣の心理を把握することはなかなか容易な事でなく,またそれを売物にして立つ私の気持もありませんので,いわゆる尾島先生の和痛分娩位の程度にて,自己満足で1ヵ月10人以下のお産を取扱い,今日の衣食に事足る位にして過しています.
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