今月の言葉
專任教員という制度
pp.5
発行日 1953年9月1日
Published Date 1953/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200426
- 有料閲覧
- 文献概要
戰後ナースの教育に大きい変化がおきたが,ナース自身が專任教員になる仕組みも,いままでになかつたものの一つである.助産婦,保健婦,看護婦のすべての養成所,学校を通じて,ナース自身が專任教員となり,相当広い範囲の学問,技術を教える事となつている.これらの專任教員は原則的には公衆衞生院において行つている長期のコースを修了したものがあたる事になつている.この仕組みはもともと米国の置き土産というべきものであり,今後再検討を要するものの一つであると思う.ことに助産婦の養成の場合においては,早急に適切な考慮を拂う必要があると考えられる.
戰後に生じた封建思想打破の傾向は,ナースの分野にも影響し,医学と看護学は各独立両存すべきものであるように考えられ,養成所の專任教員制度にもこの考え方が嚴存していることはたしかである.世の中が再びおちついて来た今日,われわれは冷靜に,この制度の利害を考究し,害のある面をすて,利を大にするように努める必要があろう.医学と看護学は独立の存在であろうか.同じように医学と助産技術は別個のものであろうか
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.