貴女の経済学
相互掛金の話
弓家田 芳一
1
1日本相互銀行
pp.52-53
発行日 1953年8月1日
Published Date 1953/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200419
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相互銀行とは
相互銀行とは昭和26年5月に公布をみた相互銀行法にもとずく中小企業を対象とした金融機関であり,いままでの無盡会社の成長転換したものであります.無盡会社の時からの固有の業務である相互掛金のほか,現在は普通銀行と同じように普通預金,定期預金,当座預金の受入れや,一般の貸出や,手形の割引をも行うようになり,資金量(預金と掛金の合計)その他の規模においても地方銀行のA級と肩を並べる迄に成長した相互銀行もあります.
しかし普通銀行では預金者と借主とは別個の対象である.つまり零細な預金を吸收した資金を確実な大企業に融資する金融機関ともいえる程で,一般の人はなかなか借りることはできませんが,これに対し相互銀行では相互という名が示すように,掛金者が同時に借主となる権利が与えられます.つまり掛金者から集められた資金は,掛金者中資金を必要とするものに融通される仕組なので,一般庶民階級や中小企業者に親しまれているのです.
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