医学の話題
内服避妊藥
杉 靖三郞
pp.30-31
発行日 1953年6月1日
Published Date 1953/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200365
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避妊藥とは,受精または受胎を防ぐ效果のある藥のことであつて,今日では,もつぱら局所にもちいて,膣内で精子の受精力をうばいとろうとするものである。すなわち,精子を短時間に殺してしまう藥物を配合した製劑(わが国では現在,醋酸フェニル水銀と硫酸オキシヒノリンの2種がもちいられている)を,性交の前に膣内に挿入しておいて,射精直後に精子を殺してしまうことを目的とする藥である。
このような局所にもちいる避妊藥は,実際にもちいてみると,いろいろ操作上に厄介なことがあり,また,效果的に用いるには,面倒な注意をしなければならないので,不便であり,しかも效果は不確実である。
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