講座
胎児心音に関する新しい研究
安井 志郞
1
1東大産婦人科教室
pp.10-14
発行日 1952年11月1日
Published Date 1952/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200209
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Ⅰ 胎兒心音の意義
胎児心音は古く1650年フィリップ・ルゴーが発見したと云われるが確実に証明し助産上の意義を認めたのはルジユモー(1822年)であつた。通常妊娠5カ月の終項から聴取出来るが,妊娠第13週で腹壁上から聞く事が出来たと云う報告もある。
我々が外部より胎児の健否を知る手掛りとしては胎動と胎児心音とであるが,胎動はしばしば不定であり,殊に妊娠末期には殆ど消失するため,我々が常に頼り得るのは胎児心音のみと云うことになる。
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