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文献抄録
スペクトル心音図による心音の研究,他
On Cardiovascular Sound Further Observations by Means of Spectral Phonocardiography
黒田 久信
1
1千大第二内科
pp.165
発行日 1956年2月15日
Published Date 1956/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200334
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10年前,ベル電話研究所では周波数,時間及び強度の3要素を抱括し,言葉を分析する方法を考案して,これをSound spectrographyまた"visible speech"と呼んだ。それは言葉を周波数スペクトルに詳細にあらわしたものである。言葉をOscillogramにとつても目立つ特徴は示さないが,Spectrogramにとると,これは何と発音されたかを読みうるのみならず,言葉のアクセントにいたるまで,その個性的特徴を詳細に知ることができる。
著者らはこの市販のSound spectrographをさらに改良して,呼吸曲線,心電図をFrequency Modulatorによつて磁気テープに心音と同時に記録し,心音はコンデンサー型のマイクロフオンによつて録音した。なお,これらをさらにAnalyzerを通じてフイルム上に光学的に,またはペーパーに直記式に記録した。心音についてみると,フイルム上には3の要素があらわされる。すなわち,時間は横軸に,周波数スペクトルは縦軸,心音の強さはフイルムにおける感光の強さであらわされる。音が強い時,その部は暗部として示される。光学的フイルムは直記式ペーパーよりも心音の強さを数倍広範囲にあらわすことができる。ペーパーの抱括範囲は大体15デシベル以内である。心音の出力は100デシベルに及ぶこともあるが,1つの周波帯ではこれよりはるかに小さく,この機械の能力で充分カバーできる。
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