Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
レオナルド・ダ・ヴィンチの『手記』—孤独と創造性
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.874
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203195
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レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)が生涯を通じて書きためた『手記』(杉浦明平訳,岩波書店)は現存するだけでも五千枚に及ぶというが,そのなかには孤独の重要性を説いた一節がある.
例えば,『手記』のなかの『人生論』には「孤独であることは救われることである」という一文があるほか,『「絵の本」から』では「画家は孤独でなくてはならぬ」として,その理由が次のように述べられている.「画家は孤独で,自分の眺めるものをすべて熟考し,自己と語ることによって,どんなものを眺めようともそのもっとも卓れた個所を選択し,鏡に似たものとならねばならぬ」.
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