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実践講座 高度肥満症患者のリハビリテーション治療・1【新連載】
高度肥満症者に対する運動と指導
Exercise and guidance for people with severe obesity
大沢 愛子
1
,
前島 伸一郎
2
Aiko Osawa
1
,
Shinichiro Maeshima
2
1国立長寿医療研究センターリハビリテーション科
2国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター
1Department of Rehabilitation Medicine, National Center for Geriatrics and Gerontology
2Education and Innovation Center, National Center for Geriatrics and Gerontology
キーワード:
肥満症
,
高度肥満
,
健康障害
,
運動療法
,
運動指導
Keyword:
肥満症
,
高度肥満
,
健康障害
,
運動療法
,
運動指導
pp.747-752
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203165
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肥満とは,摂取エネルギーが消費エネルギーを超え,余剰となったエネルギーが脂肪組織に脂肪として過剰に蓄積した状態のことをいう.世界保健機関(World Health Organization:WHO)では体格指数body mass index(BMI)が25以上を過体重,30以上を肥満と定義している1).
日本の30歳以上の15万人を対象としたコホート研究によれば,BMIは約25を超えると高血圧や高トリグリセライド血症,低HDL-コレステロール血症のオッズ比が普通体重群(20≦BMI<24)と比べて2倍となるという.同様に,高血糖はBMI約27,高コレステロール血症はBMI約29がオッズ比が2倍となるラインであり,日本人では肥満に至らず過体重の状態にあっても健康障害の発症リスクが高いことが明らかである2).このため,日本肥満学会では肥満をBMI 25以上と定義し,25≦BMI<30を肥満1度,そこからBMIが5上がるごとに2度,3度,4度と分類し,BMI 35以上(肥満3度以上)を高度肥満と定義している.
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