Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「月」—重度障害者抹殺の「思想」を生み出した土壌を可視化
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.1251
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202983
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「月」(監督/石井裕也)は,津久井やまゆり園事件(2016・7・26)をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化したものである.本作と原作は別物と言ってよいが,事件を起こした“さとくん”(磯村勇斗)にまつわるエピソードは原作に依るところが大きい.
さとくんは,自作の紙芝居によって入所者に楽しませようとする.これは実践者としての心意気を多少なりとも有していることの表れなのだが,その一方,彼が披露した『花咲かじいさん』には,なぜか違和感が残る.原作に当たるとその正体がわかるので一読してほしい.
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