Japanese
English
症例報告
長期間にわたる愁訴が機能訓練で改善した両側前庭機能障害の1例
A Case Report of a Disabled Person with Bilateral Vestibular Dysfunction, whose Functional Exercises have improved his Much Complaints over Long Periods.
山本 雅司
1,2
,
安保 雅博
1,3
,
大橋 正洋
1
,
伊藤 裕之
4
,
佐野 雄太
5
Masashi Yamamoto
1,2
,
Masahiro Abo
1,3
,
Masahiro Ohashi
1
,
Hiroyuki Ito
4
,
Yuuta Sano
5
1神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション医学科
2立川相互病院神経・リハビリテーション科
3東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
4神奈川県総合リハビリテーションセンター耳鼻咽喉科
5神奈川県総合リハビリテーションセンター眼科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kanagawa Rehabilitation Center
4Department of Otorhinolaryngology Medicine, Kanagawa Rehabilitation Center
5Department Ophthalmology, Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
前庭機能障害
,
動揺視
,
バランス訓練
Keyword:
前庭機能障害
,
動揺視
,
バランス訓練
pp.57-61
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108024
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
両側性前庭機能障害については,抗結核剤の副作用に関する報告が多い.平衡障害やめまいなどの症状は日常の活動性を制限し,生活の質に影響を与える1).その評価や訓練方法については耳鼻科領域から報告2,3)がある.
われわれは頭部外傷を原因とした両側性前庭機能障害の1例を経験した.本症例は多彩な訴えがあり,病態の理解について器質的要因と心身医学的要因の両面を考慮することが必要であった.身体機能訓練と視野を制限する工夫を行った結果,自覚症状が軽減し,日常生活や社会生活での不適応状態が改善された.そこでリハビリテーション医学の立場から,障害の評価および治療経過を報告し,病態および治療方法についての考察を述べる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.