循環器疾患

　一般的に心肺機能には予備量が十分備わっており，初期病変が起こっていても安静時には症状として現れにくい．そのためにある負荷をかけることで軽微な機能的異常を増幅させて検出する必要がある^1）．本稿では一般的な負荷試験として，心肺運動負荷試験（cardiopulmonary exercise test；CPX）および6分間歩行試験（6-Minute Walk Test；6MWT）について解説する．

　また，採血検査によって得られる脳性ナトリウム利尿ペプチド（brain natriuretic peptide；BNP）やN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド（N-terminal pro brain natriuretic peptide；NT-proBNP）は心不全の評価として欧米の心不全ガイドラインでもゴールドスタンダードとして推奨されており，これら2つの違いも含めて解説する．心不全の代表的な分類としては，ニューヨーク心臓協会（New York Heart Association；NYHA）のクラス分類（NYHA分類）および心不全ステージ分類の2つを概説する．