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実践講座 治療効果判定に役立つ病的歩行の診かた・2
特発性正常圧水頭症
Idiopathic normal pressure hydrocephalus
二階堂 泰隆
1
Yasutaka Nikaido
1
1大阪医科薬科大学病院リハビリテーション科
1Clinical Department of Rehabilitation, Osaka Medical and Pharmaceutical University Hospital
キーワード:
特発性正常圧水頭症
,
歩行障害
,
歩行評価
,
脳脊髄液排除試験
,
シャント術
Keyword:
特発性正常圧水頭症
,
歩行障害
,
歩行評価
,
脳脊髄液排除試験
,
シャント術
pp.577-582
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202245
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はじめに
2020年に特発性正常圧水頭症診療ガイドラインが第3版に改訂された1).潜在的には多くの有病高齢者がいると推定される特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus;iNPH)について,本講座では,リハビリテーション診断・治療との関係が深い歩行障害やバランス障害の特徴を,病態生理学的観点や運動学的観点などから解説する.それとともに,歩行障害における類似疾患との鑑別のポイントや,腰椎穿刺による脳脊髄液排除試験(タップテスト)ならびにシャント術前後における評価のポイント,転倒リスク評価のポイントなどについて解説する.
なお,iNPHとはくも膜下出血,髄膜炎などの先行疾患がなく,歩行障害を主体として認知障害,尿失禁を来し,脳脊髄液吸収障害に起因した病態であり,高齢者に多くみられ,緩徐に進行するが,適切なシャント術によって症状の改善を得る可能性がある症候群である1).
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