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実践講座 がんのリハビリテーション—診療ガイドラインをどう活用するか・2
肺がん・消化器がん
Lung cancer, abdominal cancer
村岡 香織
1
Kaori Muraoka
1
1北里大学北里研究所病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kitasato University Kitasato Institute Hospital
キーワード:
術前リハビリテーション
,
術後リハビリテーション
,
呼吸リハビリテーション手技
Keyword:
術前リハビリテーション
,
術後リハビリテーション
,
呼吸リハビリテーション手技
pp.369-371
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201926
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はじめに
手術を予定されているがん患者に対し術前に呼吸リハビリテーションなどのリハビリテーションを行う,もしくは術後早期離床をサポートしリハビリテーションを行うことは,がんのリハビリテーションにおいても主要な部分であり,多くの施設で実践されている.ただし,その方法や実施期間は,各施設で異なっているのが現状であると考えられる.
「がんのリハビリテーション診療ガイドライン第2版(以下,改訂GL)」では,初版ガイドライン1)で「開胸・開腹術をうけた患者」としていた対象者を「肺がん」「消化器がん」「前立腺がん」に分け,さらに「術前」と「術後」に分けてエビデンスや推奨を示し,がん種・術式に配慮した術前・術後リハビリテーション治療のガイドラインを提示した.また,改訂GLは「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」(Minds;公益財団法人日本医療機能評価機構)に沿って行われており,エビデンスの強さだけでなく「実臨床で実践できるか(臨床適応性)」を考慮して推奨が定められている.そのため,「研究レベルでは行われアウトカムもよいが,日本の医療の範囲では実践が困難である」介入は推奨が低くなっており,より臨床で適用しやすいガイドラインになっていると考えられる.一方,本文にはエビデンスの元となった各スタディの介入内容やアウトカムが比較的詳細に記載される形式をとっており,臨床では全員には適用できないにしても,どのようなことを行うとどのようなアウトカムが得られるのかを参照することができる.
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