書評
盆子原秀三,山本澄子 著「印象から始める歩行分析—エキスパートは何を考え,どこを見ているのか?」
江原 義弘
1
1新潟医療福祉大学
pp.482
発行日 2019年5月10日
Published Date 2019/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201641
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この本は著者の盆子原秀三氏がKirsten Götz Neumann氏の講演に触発され,歩行介入を効果的に実施してほしいと願い,長年にわたる臨床での試行錯誤を凝縮して意欲ある理学療法士たちのために書籍化したものである.
私は2001年ごろに英国で開催された動作解析装置のソフトウエア講習会でKirsten氏と知り合い,彼女が米国のRancho Los Amigos National Rehabilitation Centerを拠点とする歩行分析講師の会(O.G.I.G.)の会長として講演活動をしていることを知った.彼女に誘われてドイツでの講演会に参加したところ,その講演の内容が日本の理学療法士に必要なものであることを確信し,彼女を日本に招待し山本澄子氏らとともに日本各地で「観察による歩行分析セミナー」と称した講演会を開催した.講演は大評判となった.この講演に刺激を受けたのが月城慶一氏であり,彼はKirsten氏が出版したばかりのドイツ語の著書『Gehen verstehen:Ganganalyse in der Physiotherapie』をあっという間に和訳した.同様に彼女に大いに刺激を受けたのが盆子原氏である.彼も2003年に東京の両国でKirsten氏の講演会を主催し,著書『観察による歩行分析』(医学書院)の訳者にも名を連ねた.
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