Japanese
English
特集 病院横断的活動とリハビリテーション
認知症ケアチーム
Dementia care team
井口 圭一
1
Keiichi Iguchi
1
1社会医療法人健和会 健和会病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Kenwakai Hospital
キーワード:
認知症ケア
,
多職種協働
,
認知症高齢者
Keyword:
認知症ケア
,
多職種協働
,
認知症高齢者
pp.31-35
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201527
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)(厚生労働省,2015年)では,2025年には認知症有病者が約700万人となり,65歳以上の高齢者の約5人に1人に達するとされている.認知症有病率の増加に伴い,身体疾患に認知症の併存する患者が一般病院を受診する機会も増えると推測される.新オレンジプランの7つの柱の1つ,「2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」として,身体疾患に対応する一般病院の医療従事者の認知症対応力向上が強く求められている.診療科を超えた連携,多職種協働によるチーム医療の必要性が記され,加えて医療と介護との連携した支援が有用とされている.
2016年度診療報酬改定では,新オレンジプランをふまえ,身体疾患を有する認知症患者への適切な医療への評価として認知症ケア加算が新設された(表).認知症患者の適切な受入れ,多職種で構成されたチームの介入,病棟における対応力とケアの質の向上が目的とされている.対象となるのは「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」におけるランクⅢ以上の入院患者である.
健和会病院(以下,当院)では2016年5月に認知症ケア加算1を算定開始した.算定要件の1つとして認知症ケアに係るチーム(認知症ケアチーム)の設置があり,医師・看護師・社会福祉士とともに作業療法士が参加した.本稿では当院の認知症ケアチームにおける作業療法士の活動を事例を交えて紹介し,今後望まれるリハビリテーション職種の役割について述べる.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.