Japanese
English
講座 中枢神経の可塑性
6.運動療法
Brain plasticity and exercise therapy.
道免 和久
1
,
田中 章太郎
2
Kazuhisa Domen
1
,
Shotaro Tanaka
2
1兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
2兵庫医科大学篠山病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Hyogo College of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Hyogo College of Medicine, Sasayama Hospital
キーワード:
脳の可塑性
,
脳損傷
,
片麻痺
,
Constraint induced movement therapy
Keyword:
脳の可塑性
,
脳損傷
,
片麻痺
,
Constraint induced movement therapy
pp.1389-1395
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109960
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はじめに
脳科学の進歩によって,脳は考えられていた以上に可塑性を備えていることがわかってきた.従来より脳損傷のリハビリテーションでは,脳には可塑性があってもきわめて少ないと考えられていたため,機能障害の積極的な回復をめざすより,能力低下レベルでの代償に重点が置かれる傾向にあった.特に,脳卒中片麻痺の上肢機能については,最終的に実用にならないことが多いという理由で,早々に健側での代償を行うことがある.しかしこの10年余りの間に,脳の可塑性を踏まえて患側上肢を積極的に治療するConstraint induced movement therapy(以下,CI療法)に関する報告が急増している.この治療法は,脳の可塑性に関する新たな発見と相まって,リハビリテーションの新時代を築く治療法として,注目されている.本稿では,CI療法を中心に,中枢神経の可塑性と運動療法について述べる.
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