書評
宇野 彰・波多野和夫 編―高次神経機能障害の臨床はここまで変わった
種村 純
1
1川崎医療福祉大教授・医療技術学
pp.1018
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109897
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本書はタイトルが示すように高次神経機能障害に関する最近のトピックスを解説している.多くの海外文献にあたらずとも斯界の最新動向を得られるので,入門の段階を過ぎて自ら勉強を進めようという方には,適当な参考書である.
本書の特徴は,「認知神経心理学」的な観点を強く打ち出していることにある.中枢神経系の,特に連合野の機能に関する臨床・解剖学が従来の神経心理学の基本的方法論であった.これに対し,内的な処理・操作を認知心理学の方法に基づいて確認し,さらにその神経基盤を求めようとすることが従来とは「変わった」点と言える.
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