ひと
平成2年度「飯田賞」を受賞された 土屋和夫先生
初山 泰弘
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1国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所
pp.229
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106751
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土屋和夫先生は永年にわたり義肢装具の研究をお続けになり,わが国のリハビリテーション工学の分野で指導的役割を演じてこれらた.大学の教職から労災義肢センター初代副所長として就任,昨年後進に道を委ねられたが,その間20年,動力義肢,歩行分析,義肢評価システムの開発など数々の研究業績をあげ,労災義肢センターを名実ともにわが国リハビリテーション工学の中核機関に発展させられた,なかでもLAPOCシステムの開発はわが国に骨格義肢をいち早く普及させたのみでなく,現在では中国,台湾をはじめ,東南アジア各国にも行きわたっている.労災リハビリテーション工学センター名誉所長,日本義肢装具学会会長のほか,数々の要職を兼ねられ,週何回となく名古屋~東京間を行き来されている.
先生のお仕事振りを拝見するようになって20年を越えるが,その間,怒りを面に表されたことはない,ご自分で好奇心の塊と言われるが,地味で粘り強く,小柄な痩身のどこからか新しいエネルギーが溢れ出てくる.学生時代鍛えられた弓道の“心”が支えているためかもしれない.新しい文具を集めるのが趣味で,システム思考が第一と言われる先生がこれからどのような物を組み立てられるか楽しみである.飯田賞受賞を心からお喜びするとともに,健康に留意され,今後とも私どもをご指導いただくようお願いしたい.
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