書評
大田仁史 著―地域リハビリテーション原論
佐伯 覚
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
pp.72
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109669
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「地域リハビリテーション(以下,地域リハ)」とは種々の定義があるが,自立生活とノーマライゼーションの思想に裏付けられた思想と活動の地域レベルでの展開であり,地域に根ざしたリハビリテーション(Community-Based Rehabilitation;CBR)とも呼ばれる.わが国の少子高齢化社会に対する政策として,平成12年度より介護保険が導入されたが,既存の在宅サービスや機能訓練事業のあり方,リハビリテーションの位置付けに関して現場でも混乱が見られている.再浮上したのが,この「地域リハ」の思想活動であるが,にわか専門家が増え,現場での混乱に,より拍車をかけている.「地域リハ」に関する書籍は多数あるが,入門書は背景となる考え方が曖昧で項目の羅列に終始した無味乾燥なものが多く,専門書は調べるにはよいが,哲学的なもの,社会制度論に関するものが多く,通読するには分厚すぎる.
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