集談会物語り
大田区眼科医会便り
柴田
pp.95
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205586
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既に日本医事新報及び毎日新聞紙上に大田区眼科医会が発足したことが掲載されてから,足掛け3年になる,現在会員数34名,会長のボス化を避ける為に,幹事を8名選出して幹事の中から会長を互選し,実際的には幹事が会の運営に当つて居る。細則は省略先ず第1に,会で決めなければならなかつた事は,学校眼科医の問題であつた学校眼科医の身分が保障されて居ない今日,校医の報酬に就ては,都内の平均報酬額を調査し,1校当り3000円の手当を区から支出させることにした。次で,会員が平同に学校眼科医になっていたゞく為に,各自の診療所に一番近い学校を必ず一校宛割当てること,他は離れたところの学校を振当てること,開業早々の方は一力年間割当をしないこと等を総会の席上で円満裡に決定した。この割当の権限は区から大田区眼科医会が委されて居るので,情実等で自分の都合の良い学校のみの校医になることは出来ない。眼科校医が決まると,学校での検診後次の様なことが屡々問題になる。即ち,Aが校医であつたときは「トラ」患が少なかつたのにBが校医になつてから,急に「トラ」が多くなつた。学校からの希望で,学校で治療をして貰い度い。校医の診療所へ学童を連れて行つて治療させるが如何。等々である。之に対して本会では,開業医としての学童検診に於ける「トラコーマ」診断基準を決定した。即ち,眼科医が一見して直ちに「トラ」と診断し得るものゝみを「トラコーマ」とし且つ,各自校医の診断を尊重する。
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