Japanese
English
特集 脳性麻痺―最近の話題
脳性麻痺の原因とリスク
Cerebral palsy: etiology and risk factors.
岡 明
1
Akira Oka
1
1鳥取大学医学部附属脳幹性疾患研究施設脳神経小児科
1Division of Child Neurology, Institute Neurological Sciences, Faculty of Medicine, Tottori University
キーワード:
脳性麻痺
,
脳室周囲白質軟化症
,
脳奇形
,
リスクファクター
Keyword:
脳性麻痺
,
脳室周囲白質軟化症
,
脳奇形
,
リスクファクター
pp.791-796
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109570
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はじめに
脳性麻痺(CP)の原因(表1)については,胎児期・周産期の情報や中枢神経系の画像診断に基づいて診断が行われる.典型的な病歴と病態の場合には判断は容易である.しかし,胎児期に発生する脳障害については,いまだに医学的にも未知な部分も多く,病因を推測するにとどまる場合や原因不明として残される場合も実際には少なくない.
あるいは,胎児期にすでに先天異常による脳障害があり,その症状として新生児期に重症仮死・呼吸障害などを来すこともある.新生児期の病歴から,単純に周産期障害と即断しないように注意する必要がある.
また,先天性の代謝異常症などのなかには,新生児仮死・胎児仮死による低酸素性虚血性脳障害と類似した臨床像を呈するものもある.そうしたケースでは,特殊な検査を行わなければ診断が不可能であり,実際には見逃されている場合も少なくないと考えられる.同胞が同様の症状を呈することで,そうした基礎疾患の存在が初めて疑われる場合もある.もちろん,まだ病態が解明されていない代謝障害が,原因不明のCPとされているケースも当然あるものと考えられる.
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