Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「グリンチ」―モンスターに障害者性が付与される
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.769
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109564
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「グリンチ」(監督/ロン・ハワード)といえば,かの「M:1-2」を押さえ昨年の全米興収NO1として話題になった作品だが,日本では2001年正月興行として展開されるもヒットには至らなかった.これはまあ,日米大衆の好みの違い,文化的背景の違いによる結果なのだろう.ともかくも本作は障害者性が付与されたモンスターものである.
モンスターものといえば,フランケンシュタイン,ドラキュラ,狼男,ミイラなどが想起されるが,それはそれは恐ろしい怪人である.本作の主人公であるグリンチ(ジム・キャリー)も全身が緑色の毛で覆われ,心臓の大きさは通常の半分.おそらくその異型性のゆえであろう,誰も近づかないクランペット山の洞窟に,愛犬のマックスと一緒に住んでいる.麓の町フーヴィルの住人からみれば十分に怪人である.
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