Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「エイミー」―音楽が障害治療の扉を開ける
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.579
発行日 2001年6月10日
Published Date 2001/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109520
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最近,事故や病気,トラウマなどで口がきけなくなった人物が主人公という作品が目立つ.本欄で紹介済みの「ダンサー」,次号で紹介する予定の「ギター弾きの恋」のほか,「小さな目撃者」(監督/ディック・マース;オランダ・アメリカ合作2001年公開)と「エイミー」(監督/ナディア・タス;オーストラリア'99年公開)は少女ものとして双璧.
「小さな目撃者」は,アムステルダムの特色である美しい街並み,運河,公認されているドラッグや売春などを背景に,声を出すことができない少女が殺し屋に追われる物語.ハンディキャップ・ファイターものは障害を苦にしないというところに特徴があるのだが,本作はまさにそれに当てはまる.少女も両親も障害を気にしていない.障害の原因も事故の一言で片付け,それ以上の深い追求はない.つまり,障害の原因や治療に関心はなく,まあ,スリルとサスペンスを楽しんでくれというわけだ.
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